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理事長ご挨拶

ご存じのとおり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大の影響で、2020年度に高知で開催予定だった総会・研究会は現地開催中止となり、2021年度の総会・研究会は、池谷知明理事長・遠藤晶久事務局長をはじめとする事務局の皆様のご尽力によりオンラインで開催されました。2022年5月7~8日、金沢で3年ぶりに対面による総会・研究会が開催されました。登壇者が急に来られなくなる可能性などを考慮してオンラインを併用したため、若干のトラブルもありましたが、岡田浩理事ら開催校の皆様、および事務局の皆様のご尽力によって対面で開催されたことを心より喜んでおります。

5月7日の2022年度第1回理事会において理事長に選出されました。この学会が発足して42年になりますが、歴代の理事長のお名前を拝見すると、私などでは到底、務まらないという気持ちが強くなっております。しかしご推薦をいただき、お引き受けすることにした以上、及ばずながら、できるだけの力を尽くしたいと思っております。

2019年に世界の国々のうち、民主主義に分類されるのが87の国・地域であったのに対して、非民主主義に分類されるのが92の国・地域と、数が逆転したことが話題になりました。COVID-19対策、香港における民主派の弾圧、ロシアのウクライナ侵攻に象徴されるように、世界には、かつてのイデオロギー対立のごとく、民主主義と権威主義との対立が生じ、場合によっては後者の統治が優越しているかのような言説もあります。私たちは、自由と民主主義、人権、法の支配の重要性を再認識すると同時に、それらの価値に基づく体制を支える制度の一つが選挙であるということを強く訴えていきたいと思います。

本年は参議院議員通常選挙が行われる予定です。来年(2023年)には統一地方選挙も行われます。しかし上述したように、民主主義にとって選挙は重要なものであるにもかかわらず、投票率は、参院選が、選挙区・比例代表とも、2016年の54.7%から2019年の48.8%へ低下しました。昨年行われた衆院選の投票率も、2017年よりは上がったものの、小選挙区・比例代表とも55.9%と低い水準にとどまっています。選挙は、民主主義の根幹にあるものですから、私たちの学会は、選挙に対する学術的研究を行うことが第一の役割ではありますが、会員にはマスコミや選挙実務の関係者もいらっしゃり、選挙に対する国民の関心を高めていくことに貢献することも大事だろうと思います。

選挙に対する国民の関心が高まることが、迂遠なようですが、選挙を研究しようという次世代の若者を生み出すことにつながると思います。また2031年の学会発足50周年に向けて、これまでの日本の選挙研究の成果を社会的に発信していくような企画も考えていきたいと思います。

子育てや介護、その他の何らかの事情があっても会員が参加しやすい環境をつくっていくことなど、学会が抱えている課題はいくつもあります。そのすべてを解決できるほど、能力があるなどとは自惚れていませんが、2年経っても何も変わらなかったということにならないよう努めたいと思います。会員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

日本選挙学会理事長
竹中 佳彦


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